2017年2月24日
葬礼寸描
この前、ある寺院での葬礼に行った。畳の上に青い毛氈が敷いてあって、その上に折りたたみ椅子が並ぶ。しばらく待っていると「導師」様の入場。参列者たちがはいているのと同じ、茶色の病院用のようなスリッパを履いてしずしずと入ってくる。
白足袋くらい履いて来ればいいのに。でも、一わたり読経した後、会衆に呼びかけた時の話しぶりには誠意と滋味があふれて、良かった。寺院はこの頃どこも経営難らしいが、こういう法話をしていれば、いやしとか言って、人気も出てくることだろう。
導師は、さすがプロ。たった一人なのに、読経の声はいんいんとホールに響き渡り、時々叩く鉦の音も冴えわたる。そしてしばらくして気が付いた。ぽくぽくたたく木魚はお経の単語の語頭に合わせていない。わざとのように、そしてジャズででもあるかのように、半拍後れて叩いている。だから緊張感があって眠らない。
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