2014年12月30日
語尾が溶解していく若者日本語
若者の使う言葉はどの国でも社会一般と違うものだが、日本もその例外ではない。
この頃目立つのは、10代後半のもう成人と言っていい女の子たちが使う「ニャンニャン言葉」。横から聞いていると彼女たちの会話は、「何々は何々ニャンニャン」、「だけど何々ニャンニャン」と、ネコ同士の会話にも似て、語尾を口の中にくわえこみでもしたかのよう、自分がものごとを断定した感じを相手に、そして周りに与えないよう極力努めている感じ。ニャンニャン言葉。あのジワっとした湿潤な東南アジアの国々の、空港売店の女性たちの言葉によく似ている。可愛いのが取り柄。
自宅で仕事をしていると、電話でいろいろのPRが来るが(うちには主に墓地の売り込み)、中には受話器の向こうの担当女性がまだ中学生気分の抜けない人物で、これも語尾をわざとぼかす。「~いたします」という「す」の発音がSuでない。SuとSeの中間なのだ。中国語のeの発音に似ている。Suという強い断定調を避け、気が抜けるような中間音でごまかす。
両方とも、自分は他人がいやがるような、強い自己主張は持っていないこと、皆とうまくやっていけることを示そうとしているのである。
女性の権利がどんどん高まっているこの時代になっても、可愛い(だけの)女を演出することで世を渡ろうとする若者たちが絶えないのだろう。
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