2013年3月21日
中国で車は本当に売れているのか?
中国での自動車生産・販売は年間約2000万台(うち乗用車が約1500万台)ということになっている。これは米国での年間自動車販売台数1400万台強より多く、少し不自然ではないか。僕の知っている中国の大学教員あたりでは、今でも自家用車を持っている人は少ないからだ。
統計が水増しであることはなかろう。考えられるのは、企業が車を購入して社員の私用に使わせているものが多いのではないかということ。これは例えば、1990年頃のスウェーデンでも、乗用車の多くがそういう形で登録されていた。
これは、個人が購入する場合に比べて、法人税制や景気に需要が左右されやすい。多分、省毎に存在していると言ってもいいほど無数にある中国の自動車企業の業績が、地元の党書記の昇進を左右するので、地元国営・私営企業に、地元自動車企業の製品購入を半分無理強いしているのではないか。
中国経済は、表向きの数字はすごい。西側の証券会社などは、「すごい、すごい」と悪乗りしては中国の株式価格をつり上げ、がっぽり儲けてきたのだろう。しかし、中国では労働可能年齢人口は昨年から減少に転じた。これから労働力不足は加速し、賃金は上昇していくだろう。外国投資は減少し、中国経済は後ろ向きのはずみ車が回り始めるかもしれない。その時、「すごい統計数字」の化けの皮が次々にはがれてくるだろう。
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