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2012年11月18日

ソ連の目から見た 現代中国  守旧派がこれから仕掛けてくるだろうこと

11月の第18回中国共産党大会では、江沢民の率いる既得権益層が変革をめざす胡錦濤系共青団の一派に勝ったことになっている。単純過ぎる説明ではないかと思うが、公職があるわけでもない江沢民が、党大会の檀上、胡錦濤と温家宝の間に皇帝然として座っていたことを見ると、信憑性があるものに見えてくる。

現状変革派と守旧派が争った場合、たいてい後者が勝つ。と言うのは、組織の要職を占める者の大多数は、自分たちの地位を危うくするような改革は好まないからだ。

現代中国の祖型ソ連でも、同じようなことが起きている。1957年には、野心家のフルシチョフは中央委員会幹部会での投票ではモロトフたちの策動で第一書記の座から追われたものの、軍の支援も得て全国から中央委員をモスクワに召集。幹部会での決定を覆してしまった。

その後フルシチョフは思いつき的改革を繰り返し、1964年には共産党組織の大幅改組に手をつけたことで、総スカンを食らう。ブレジネフを頭とする守旧派は、1957年フルシチョフが使った手を逆用し、フルシチョフの休暇中に全国から中央委員を招集すると、そこで彼に詰め腹を切らせてしまう。

今回、中国の守旧派は既に人事上の目的を遂げている。彼らは共青団側からの攻撃を防ぐ、防御の側に立っている。多分、守旧派はこれから、共青団の目ぼしい連中の汚職をマスコミにリークするなどして、彼らの手を縛る、または追い出す挙に出るだろう。

胡錦濤は、汚職は党を滅ぼすと演説して公職を去ったが、その言葉が自分の共青団系の子飼い、あるいは彼自身に悪用される可能性がある。つまり、彼らが汚職を摘発されて表舞台を去っていくのである。その陰で守旧派はほくそ笑むこととなる。

太子党にも片足を突っ込んでいる王岐山・前副首相が共産党の監査・紀律担当になったが、彼のさじ加減が守旧派と変革派の間の力関係を大きく決めていくだろう。

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