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街角での雑想

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2011年5月12日

大都市直下型大地震への備えは?

今日、東北を見てきた人たちの話を聞いたが、聞けば聞くほど不安になる。これでは、500万人以上の大都市で直下型大地震が起きたら、対応不可能だなと思う。

今回の地震、津波では、自衛隊をほぼ総動員した。だとすれば、例えば東京が壊滅して、救援、物流を自衛隊が数日間担当するとすると、人員が当然足りない。人員が足りても、田んぼのあぜ道を舗装しただけのような住宅地の道路では、消防車も入るまい。大通りもほとんど使えないだろうし。

避難所も心もとない。僕の家の近くの学校は建築後もう40年は経っているから、地震の時にはこの避難所自体、壊れてしまうかもしれないし、この2,3年住宅がどんどん増えているので、避難所があっても場所がないかもしれない。

だから至急やっておかなければいけないのは、予備自衛隊員制度の拡充、都心壊滅の際の輸送プラン、消火態勢、そして各企業について言えば、本社が壊滅した際の代替本部・代替幹部、通常電話網が通じない場合に備えての特別回線の確保、幹部のための移動手段の確保(ヘリコプターなど)などだろう。

日本の政府は、各省の間を調整する政治力が弱いこと、政府と市町村の間をつなぐ県庁の力も弱いこと、そして現場の市町村のすべてが立案能力を持っているわけではないこと、などの三重苦を抱える。危機に弱い。

その代わり、事前に何かを用意しておくことはできる。もっとも、日本人は細かいから、あまり事前に用意すると細部まで固めてしまい、融通のきかない計画を作り上げてしまう。基本だけを、事前に調整しておけばいいだろう。

それは人と通信手段と移動手段と資金と、これらを余裕をもって事前確保し、かつ危機の時には誰がどのような手順でこれらすべてを指揮するかを決めておけば、十分なのだ。

福島原発が小康状態になって政府は少し安心しているようだが、目前の課題を片付ければそれで終わり、ではない。もっと先を見通して、総合的に手を打っていってほしい。でないと、「蠅たたき政権」と揶揄されるようになるだろう。

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