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街角での雑想

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2023年12月 6日

いじめられっ子岸田総理の跡目

(これは、11月末発行のメルマガ「文明の万華鏡」第139号の一部です)

 それほどひどいと思わないが、岸田総理はなぜか批判を食らう。小学校でなぜかわからないが、いじめられやすい子がいるのと同じ。おとなしそうだから、いじめたくなる。
支持率が20%にたとえ落ちても、自分で辞めると言わなければ、周囲はなかなか引き下ろせない。閣僚たちが閣議決定に署名しないと言い出すと、さすがに持たなくなるが、小泉総理の場合2005年、そうした大臣たちは首にして、自分が兼任。郵政民営化総選挙を押し切ってしまった。

今の場合、派閥たちが岸田内閣から大臣を引き上げるよりも、臨時国会で補正予算案が通らなくなるとか、新年の通常国会で審議が停止して通常予算が通らなくなるとか、そういうことになると衆院解散、総選挙ということになるだろう。
 自民党総裁の任期は来年9月いっぱい。そこで総裁選挙ということだと、国会議員だけでなく百万強の党員・党友も選挙に加わる(結果は自民議員総数と同数に凝縮・比例配分される)。一方、9月以前に臨時総裁選挙ということだと、国会議員だけによる選挙になり得る。

(門外漢のシミュレーション)

 党員・党友の投票行動はなかなか読めない。そこで国会議員だけでどういう選挙結果になり得るか、勘定してみた。これは有力議員、いわゆる派閥の領袖たちが差配する議員の数、そして領袖たち同士の間での関係を加味してシミュレーションをしたのである。
相互の関係は、この4年間ほどの新聞・雑誌記事から集めたデータをもとに判断した。もっともこれが難しくて、麻生・古賀のように地元の利権の取り合いに起因する、恒常的な天敵関係になっているものから、昨年は敵対していたが、今年は協力関係という場合もあって、データを整理しているうちに後期高齢の筆者の頭は過熱して、機能停止を繰り返すのでありました。

で、どうなったかと言うと、予想得票数から考えて有力な候補は石破、河野、林(芳正)の3人に絞られると思う。第1回投票では石破(66歳)を二階(約40票を抑える)、麻生(約55票を抑える)が支持すると想定して最低約100票。
河野(60歳)は菅が支持して約30票が最低線。
林(62歳)は宏池会(約45票)、元安倍派の大半(約80~100票)、茂木(約50票)が支持すると想定すると、議員だけなら第1回投票で過半数を抑えてしまう。

党員・党友が投票に加わると、誰が地方で一番顔が売れているかが大事になる。石破は2008年から2015年にかけて、農水相や地方創生特命大臣などを断続的に務めたので、その頃の人脈はまだ残っているかもしれない。

票が分散して第2回投票ということになると、石破、林の決戦だろう。石破を菅(30名)、二階(40名)、麻生(55名)が支持すると想定すると計128名、林を宏池会(47名)、旧安倍派(99名)茂木派(53名)が支持すると想定して計199名。あとは約45~75と見られる無派閥票、そして国会議員と同数の党員・党友の票次第ということになる。
結局、まだ不確定要因が多すぎて読めないということ。

なお、小池百合子・東京都知事の動静が話題になっている。任期は7月まで。それまでに辞職して自民党に復帰すれば、総裁選で名乗りを上げられるか? 多分難しいと思う。彼女の古巣は旧安倍派。ここには総理候補がもう多数いる。そして菅元総理は、小池都知事と関係が悪い。

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