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街角での雑想

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2016年1月28日

中国経済は日本経済を奈落への道連れにできるか

(以下は、27日発行のメルマガ「文明の万華鏡」の一部です。全文はhttp://www.japan-world-trends.com/ja/subscribe.phpで購入ができます)

 中国経済の変調については、最近のNewsweekで随分書いたので繰り返さない。要は、中国人の「経済」は西側の経済とは随分違う、王朝時代以来、そして社会主義経済の影響も受けた集権的性格を持っているので、市場よりは規制で動く部分が大きい。そのような「経済」を近代経済学の手法で分析しても、机上の空論になりやすい。伸びている民営製造業もいくつかあるものの、恐らくいくつかの制度的要因で挫折していくものと思われる。

例えばハイアールがGEの家電部門を買収し、世界の大手になったが、GEの家電部門の人材が中国資本による支配を嫌って外部に流出すれば、買収はハイアールにとって資産ではなく負担になるだけだ。長城汽車などは安価でデザイン性に優れたSUVで業績を伸ばしているが、安価にするために中国製部品を多用しているところが弱点となるだろうし、中国の企業同士は過当競争を繰り広げて共倒れになるかもしれない。

というわけで、中国の経済は成長力を大きく失ったものと見てよかろう。それは日本にとってどの程度のマイナスとなるだろう? まず日本の対中輸出(香港も含めて)だが、これは2014年で約17.4兆円。日本の輸出の23.8%で、GDPの3.5%に相当する。これがどのくらい失われるだろう? まず日本の対中輸出の内訳を見ると、最終製品の輸出が自動車で5000億円強(2013年、香港を除く)、科学光学機器で8000億円強が、輸出最大10品目の中に入っているだけで、10品目のあとは部品、原材料の類が占める。首位は「半導体等電子部品」で、約9800億円となっている。

最終製品の輸出量は、中国経済の浮沈に左右されるが、その金額は大したものではない。そして自動車や電子製品組み立てのための部品、機械機器、エンジンなどは、その多くが米国やEUなどに最終製品に組み込まれて再輸出されるので、これの需要は中国経済の浮沈に左右されない。但し中国国内での販売比率が大きな企業では、日本からの部品輸入は中国経済の動向に大きく左右される。自動車各社は中国で100万台規模の売り上げを上げているので、中国情勢が荒れるか保護主義が台頭して販売が壊滅すると、かなり大きな打撃を受ける。しかしそれは、日本経済を瓦解させるほどのものではない。

日本や世界の株価は、上海の株価に今大きく影響されている。しかし中国は資本の自由取引を認めていないので、外国人は上海株式市場に参入していない。上海株式市場は中国の個人投資家のカジノのようなもので、ここの上下に我々が一喜一憂する理由はないのである。その点がもっと周知されれば、誰も上海株価などには見向きもしなくなるだろう。壇ノ浦で平家が敗れた時、源氏の武将を一緒に海に引きずりおろした平家の武将がいたと記憶するが、中国にしがみつかれないよう、体に油でも塗っておこう。
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