対欧米外交の追憶 有馬龍夫著 について
外務省の先輩、有馬龍夫氏のオーラル・ヒストリー(聞き書き)「対欧米外交の追憶」が藤原書店から出た。中卒の学歴で外務省に中途採用された珍しい経歴。と言っても、中卒で渡米して名門高校とハーバードを卒業したから、日本では中卒の学歴しかない、というだけの話し。それはそれとして、有馬氏は外務省で対米関係等の枢要なポストを渡り歩き、その中では沖縄の返還交渉、ドイツ大使としての対欧外交、そして政府特別代表としての中東問題への関わりなど、多くの重要な場面に関わった。当時の政策決定の現場をここで語っているわけで、こういうことは政治家や官僚など、政策決定に関わった人たちに進んでやって欲しいし、紙で出版できなくとも電子出版ならできるだろう。
この本は、米国の日本叩きたけなわの頃行われた貿易交渉の切迫した内幕など、日本の政策決定の裏側をつまびらかに明らかにしているのだが、僕がまず読んだのは沖縄返還交渉のところ。前から確かめたいと思っていた、交渉における若泉敬・京都産業大学教授の役割の実像についてである。
NHKは2000年に若泉氏の事績を紹介するドキュメンタリーを放映し、彼が沖縄返還後も米軍による核の持ち込みを認める「密約」をまとめることで沖縄返還を実現したかのような印象を作りだしていたが、このような大型の交渉はただ一人の密使の活躍でまとまるものではなかろうと当時思った。そこでこの有馬大使の書物を注意深く眺めてみたのだ。
その結果わかることは、若泉氏は外務省と連携して動いていたわけではないこと、佐藤総理は密約的なものを結ぶことには否定的だったこと、若泉氏は米国と密約的なものに署名しているが、それは私文書的なものとして佐藤家に保管されていたこと等である。
若泉氏の役割については随分神話的に崇める向きもいるので、これ以上のことは書かない。ご関心の向きは本をご覧いただきたい。
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コメント
This is what we need - an insight to make eveyorne think
What a waste of money. Â MMA might be a popular trend but will NEVER be mainstream due to the lack of interest world wide. Â Attracting the same mentality of backwoods hillbillies, I hope it dies out soon to REAL sports like baseball, football etc…