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街角での雑想

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2012年9月 9日

考えてみれば北方領土問題がいちばん成熟

このところ、北方領土、竹島、尖閣と、問題が相次いで大変だったが、北京では7日、日中国交回復40周年行事のひとつとして山本寛斎のスーパーショウ「ハロー・チャイナ」が首尾よく行われた。一連の事態は当面、収拾の方向にある。
日本人は今回起きた一連のできごとでショックを受けて、ナショナリスチックな気運も見られるようだが、今、対立を際限なく先鋭化させても国際社会の理解は得にくい。

これまで政府が何をしてきたのか、してこなかったのか、してこなかったのはなぜで、どうすればできるようになるのか、じっくり検討し、尖閣を守るための海上保安庁、そして自衛隊の力も増強していかないと。自衛隊はヘリコプター空母のようなものを既に数隻持っていながら、どれも垂直離着陸戦闘機を発着させられない。要するに、米国第7艦隊の空母護衛用に作られたものなのだろうが、尖閣ぐらい自力で守れないといけない。もしかすると、米国が日本を抑えているのかもしれないが。それならそれで、尖閣防衛の責任を負ってもらうことになる。

それはそうと、今回ロシアを専門とする僕の立場から感じたことだが、日韓、日中の間で問題が起こると、その感情的なマグニチュードは日露関係をはるかに上回る。ロシアは領土問題でも中韓にかなわないのだ。情けない。

でも待てよ、と思う。それは逆に、北方領土問題を静かに話し合っていくためには、悪くない。これまで北方領土問題というと両国のマスコミがすぐとびついて、やれ島はいらない、やれ4島一括即時返還でないといけない、やれ日本に譲るロシア政府はけしからん、とやるものだから、進退きわまることも多かった。

中ロは国境問題を一応片づけているが、それはマスコミが書き立てず静かに交渉できたからできた面が大きい。日本は民主主義国で、マスコミをコントロールすることはできないが、中国、韓国のおかげでちょうどいい。北方領土問題を解決に近づけたいのなら、交渉の間は静かに見守るのがいちばんだ。

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