サイバー戦は戦略兵器にもなる 開発しよう
最近「サイバー・テロ」というのが流行っている。アメリカの国防省や日本の三菱重工のコンピューターに入り込み、そこにウィルスを植え付けたり、データを消したり変えたりしてしまう行為のことを言う。
もっと目に見えるサイバー・テロは、無人飛行機の操縦電波を乗っ取って、強制着陸させたり(この前イランでアメリカの無人機がやられた)、操縦者のところへ「送り返したり」(10日ほど前、韓国から出発した無人機が北朝鮮の電波で操縦者のいる小屋に「送り返され」操縦者が死亡した事件があった)というものである。この技術で旅客機が乗っ取られると、2001年9月11日事件のようなのがいとも簡単に起きてしまうだろう。
こうしたことに、日本の防衛省とか、警察とか、軍需企業はちゃんと手を打ってくれているのだろうか?
以上は防御の方なのだが、電波、電磁波を日本はもっと戦略的に使うことを考えるべきだ。もう昨年の話になるが、10月15日付Economistなどは、そうした電磁波兵器の開発状況を詳しく報じている。例えば米国が開発したボーイング・Growlerという飛行機は、レーダーから電磁波を発射して(普段はレーダーとして用い、必要な時には電磁波を収束させて高エネルギー波を発射する)ミサイルや飛行機を攻撃するのだが、先般リビアでの戦闘で盛んに使用されたらしい。
僕がまだ小さい頃、「宇宙戦争」というSF映画があった。そこでは宇宙船がレーザー・ガンを発射していたが、いよいよそれが本物になる時代が来た。例えば北朝鮮のミサイルを日本のイージス艦から打ち上げたミサイルで撃墜する、というような神業に近いことをやろうとせずとも、高空を行く北朝鮮のミサイルをまずレーダーで捉え、次いでそこに電磁波の束を送って、先方の方向感覚を破壊するとか、機体全体を熱して破壊するというようなことが可能になってきたのだ。
国土の小さい日本では、たとえ核兵器を保有したところで、これは「抑止力」になりにくい。核兵器を持つのが難しいのであれば、新時代の戦略兵器とも呼び得る電磁波兵器の開発に力を入れたらいいのではないか?
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