日本も政党政治の機能停止で、戦前の軍部専制に逆戻りか
今の日本の政治情勢。自民党の資金問題は、いつまでたっても埒が明かない。結局今のままで低姿勢で批判をやり過ごし、衆議院では絶対多数を握っているのを利用して、来年度予算案で諸方に恩を売って総選挙、が一番安全かも。裏金問題で一人割を食った元安倍派など、自民党を飛び出ても不思議でないと思うのだが、彼等は逆に鳴りを潜めているらしい。今騒いで選挙をやられたら、とても再選されないと思っているからだ。
こういう状況で、秋の自民党総裁選はあるのか、ないのか。岸田総裁の任期をとりあえず延期して(実例はある)、来年ころ合いを見て解散。選挙には岸田総裁のままで臨むか、それとも新顔で総選挙に臨むかは別にして、これならば、総選挙をやっても、自民党が大崩れということにはなるまい。党を飛び出る者がいても、独りで選挙に勝てるだけの地盤を持つ者はほんの一握り。さりとて引き取ってくれる――つまり選挙区を提供してくれる――政党もないだろう。
既存の野党はいずれも勢いを失っていて、今のままでは政権は取れない。2017年の小池新党、7月都知事選での石丸旋風のような新勢力が興きて、それに自民党や野党の不満勢力が流れ込む場合しか、政治構造に変化は起きないだろう。起きても、それは大都市に限定され――地方は利権構造ががっちり出来上がっていて、浮動票は少ないので――、一回限りの現象で終わるだろうが。
戦前は、政友会・民政党の泥仕合で、政治が機能を停止する中、軍の右翼勢力が権力を壟断していったが、今回はそのような危険性はないということだ。裏金問題で揺れつつも、1月からの通常国会は61件の法案を採択している。これは2013年とほぼ変わらない。「国会を捨象して、行政と司法だけで日本を回していくことを考え」なければならない程には、日本はガバナンスを失っていない。
一方、戦前の日本で目立った政治テロ。これは今後、増えるのでないか。6月26日、飯田橋の電線ケーブルが破損して、中央線が長時間ストップする事故があったが、ここは内部に詳しい者しか知らない、中央線配電の急所なのだ。JR東日本の労組に過激派勢力が復活している可能性がある。防護体制をしっかりしないといけない。皇居、総理官邸、その他は、ドローンを撃退する態勢はできているだろうか?
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