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街角での雑想

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2012年11月20日

自殺解散とその後

今度の選挙はよくわからない。選挙になるべくしてなってしまったが、なんでそうなったのかわからない、という感じ。要するに、選挙をすれば民主党が負けるのがわかっているのに、なんで自分からしかけたのかわからない、ということだ。自爆解散と言われるゆえんだ。

だが考えてみると、消費税引き上げ法を通すような大事の後では総選挙をやって、みそぎをするのが当然なのだ。8月は、民主党の大勢が選挙を望まなかったから、野田総理も決断できなかったのだろうが、今選挙をやっておかないとどうなるかと言うと、来年通常国会で民主党は脱党相次ぎ、自民党、第三勢力はますます力を得て、民主党は自然解党状態で任期切れの総選挙に突き進むということになっていただろう。選挙をするなら、第三勢力の候補者も揃っていない、今が一番良い、ということだ。

そして野田総理は政権を投げ出すことはしなかった。赤字関連法案を通しただけでなく、これから2年にわたって予算と一括して採択するという合意を野党と行った。こうしておけば、衆院、参院の間で多数派が異なる「ねじれ」があっても、赤字関連法案を人質に取られて毎年政権交代を迫られるという構図がこれからなくなる。そして野田政権は、定数是正についても一応の見通しをつけた。こうしておかないと選挙をしてもまた違憲判決を食らうからだが、手堅く、責任感のあるやり方で、民主党もこういうことができるなら、最初からやっておけばよかったのだ。

これからどうなるのだろう? 自民党が政権を取ると、参院でも与野党の組み換えが起こるが、多分自民党系が多数を確保するだろう。衆院、参院の「ねじれ」が解消されて、長期政権の目が出てくる。

しかし、そんなにすんなり行くのだろうか? 今回の選挙では、小沢氏の「国民の生活が第一」がけっこう台風の目になるのでないか? 小沢氏が無罪になったというモメンタムがあるし、衆院で38議席、参院で12議席という勢力は大きい。例えば今回の選挙で25議席を取ったとしても、自民党、民主党の間でキャスティング・ボートを握り得る。自民党、民主党、そのどちらが小沢氏との提携にアレルギーが少ないかと言ったら、民主党の方ではないか?

選挙まで、あと一カ月もある。1カ月というのは、政治においては非常に長い時間で、何でもあり得る。中国が尖閣で仕掛けてくれば、選挙自体が吹っ飛んでしまうかもしれないし。

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