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論文

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2013年6月12日

ボージョレとロシアの解禁

昨日はロシアの国祭日で、レセプションがあったのだけれど、例年より2倍(実際には30%くらいか)の客がいたような感じだった。安倍総理が4月の末に訪問したので、「ロシアとのビジネスが解禁になった」と勘違いした人が大勢いたようだ。

なぜ勘違いかと言うと、フランスのボージョレ・ワインと同じで、誰も呑むことを禁じてはいない。禁じられていたかに思い込むことで、おいしさもひとしおというところなのだろうが、ロシアとのビジネスはこれまでもどんどん進んでいて、ロシアから輸入されている石油や天然ガスは日本の消費量の10%に達しているし、日本の自動車会社の多くはもう現地生産を始めているのだ。

そこを間違えて、「これまでは日本の頑なな外務省が領土問題のかたにビジネスを止めてい」たと思い込んでいるから、ボージョレ解禁気分になってしまう。ロシアの場合、残るものは悪酔いだけの場合もあるので、注意しないと。

中国もそうだが、ロシアとのビジネスも一筋縄ではいかない。特に中小企業の場合は、自分だけでロシアに出て行かないほうがいい。モノを売るならロシア人のディーラーにまかせ、直接投資をするなら、日本の大企業と一緒に出ていく。問題が起きると、社長が数週間も現地に貼りついて折衝しないと埒があかないので、そういう問題は大企業に片づけてもらう体制を取っておかないといけない。

ロシアは人口が1億4千万と日本とさして変わらず、GDPは日本の半分弱、しかも原油価格に応じて大きく変動する。これまではソ連時代抑えられていた消費意欲が噴き出ていたため、右肩上がりの市場だったが、この半年経済は停滞の様相を強めている。

従って海外での事業に向ける人材余力がない中小企業の場合、ターゲットはロシアよりベトナム、ミャンマー、インドネシア、バングラデシュ、インド、パキスタン当たりにしぼった方がいいと思う。

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