2018年に向けて
(これは、27日に「まぐまぐ」社から発売したメール・マガジン「文明の万華鏡」第68号の序文です。大晦日にぴったりの文なので、アップしておきます。
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2018年がやってきます。1868年の明治維新から150年経ちました。ちょうど世界も時代と言うか、19世紀に西欧で確立した「近代」文明の賞味期限がやってきて、AIを軸におそらく全く新たな文明(世界の構造。社会の構造。人間のあり方)が始まるのではないかと思います。他方、近代に乗れなかったと言うか、近代欧米・日本から搾取される一方だった途上国、あるいは中途半端な近代化の果実を貪り、イノヴェーションを怠った旧社会主義諸国の人達が抱える不満は、宗教過激派やファシズムとなって、文明を中世の方向に引き戻し続けるでしょう。
他方、先進国の人類も、人間という「後進性」、つまり嫉妬とか憎悪とか支配欲は何も変わっていないわけで、AI文明の中でも人間だけが殺し合いを続けるのでしょう。それは、先端技術文明の中で展開されるスターウォーズの中世的な物語が如実に物語っています。人類という非合理的存在は、進んだAI達に果たして生かしておいてもらえるのでしょうか?
2018年の見通しについては、昨日発売のNEWSWEEK日本語版で、錚々たる世界の識者の中にまぎれこんでわりと長く書かせてもらいましたので、是非御覧下さい。
なお、26日の日経記事で初めて気が付いたのですが、中長期国債の6,1%を海外投資家が保有するに至っており、1年以下の短期ものでは55%に及んでいる由。その総額は100兆円強。円や日本経済への信頼が低下すると、売り浴びせられて、過度の円安、インフレ、金利の急上昇を招きかねないでしょう。2800億円の小粒ながら、政府が増税に踏み切ったのは、財政赤字体質を外国勢に売りの口実にされないよう、財政健全化への姿勢を見せたものである可能性があります。
今月の目次は次の通りです。
トランプは国内に「こもる」のではない。パックス・アメリカーナの中での経済的シェアを奪回し、国内でも海外でも強くなろうとしているのだ...2
ロシア大統領選挙(3月18日)後はどうなる?・・・4
米軍は海外でますます使いやすく・・・8
核ミサイル無法時代へ?・・・9
日本史始原探訪・・・10
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