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2023年2月25日

少子化対策は若者に提案してもらおう

(これは22日刊行のメルマガ「文明の万華鏡」第130号の一部です)

東京の郊外ではよく乳児を見かけるので(老人も見かけますが)、少子化が問題だとは思っていませんでしたが、調べてみると問題は深刻。

人口ピラミッドと言って、普通の国では若いほど人口が多いのですが、日本の場合は逆ピラミッド、乳幼児の数は数年前から毎年3%前後減少していっています。人口が少なくても経済、社会保障システムが回っている先進国、例えばデンマーク、オランダを見ると、ここでは人口ピラミッドが円筒形に近いことが目につきます。日本では団塊世代の子供たちの世代から、急に子供を産まない傾向が統計上、はっきり表れています

もしかすると、2002年~2011年小学校で行われていた「ゆとり教育」が関係しているのかとも思いましたが、これを経験した日本人は今28歳から19歳程度で、団塊世代の子供より1世代若い人たちです。

ですから、少子化の背景は、共稼ぎが一般的になり(女性も稼ぐためというより、自己実現のために働く例が増えています)子育ての時間がないこと、そして子供一人なら何とかなっても、二人以上の教育費を出すのはきついことにあるようです。夫に育児休暇を認めても、それを文字通りに実行する企業は少ないでしょうし、たとえ大学を無償にしても、一流大学に入るためには高価な塾に送らなければならないでしょう。

一つの解法は、「地方で生きる」キャリア・パスを増やすことではないかと思います。地方の過疎化は、老人をデイ・ケアに運ぶタクシーの運転手が見つからないような深刻な問題を生んでいます。日本の地方も以前は停滞した感じがしましたが、今は生活感覚で東京にひけを取らない都市がいくつもできています。ここで夫、妻ともキャリアを築くことができれば、広い家と豊かな自然の中で二人以上の子供を育てることができるでしょう。ヨーロッパ、米国はそのようになっています。

「防衛費を2倍にすると総理が言うなら、少子化対策予算も2倍にすると言え」というのが、今の国会の論戦の筋なのですが、何をどうするのか決める方が重要です。育児の現場を知らない国会議員たちが、選挙のために予算の額だけ審議するのは止めてもらって、若者、そして地方の現状、要望をもっと吸い上げ、できれば彼ら自身が法案を起草する(アイデアの取捨選択の問題が起きるので、簡単ではありませんが)ようなことをしたらいいと思います

少子化問題は世代間の意識のずれが大きいので、そこは実際に出産・育児にあたる若い世代が自分たちで考え、予算との兼ね合いも見ながら必要かつ有効な措置を決めたらどうかと思うのです。

日本の国会は、児童手当の所得制限をどうするかですったもんだ。立憲民主党・維新は、比較的高所得層にも手当てをばらまくのだと頑張っています。高所得層に出す分だけ低所得層に手厚くやればいいし、所得審査の手間が大変なら、マイナ・カードを活用すればいいと思います。

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