2015年5月24日
平和憲法があったから日本は平和だった のか?
(5月23日にアップ。24日にマイナーな文章修正及び一カ所付加)
安保法制についての国会の論戦を読んでいると、今でも「平和憲法があったから日本は平和だった。この憲法を変えると、日本は戦争になる」と言っている人たちがいるようだ。
安保法制論議を政局に結び付けようとするのは、政治家の権利なのでとやかく言っても仕方ないが、この「平和憲法があったから日本は平和だった」という言い方はもうやめないと、そのうち皆から、馬鹿にするなという抗議を受けると思う。
もともと憲法第9条は、戦争で米国が日本を武装解除したことを定式化したもの。まあ、戦争の原因を作った満州の関東軍などが解散させられたのは良かったと思うが、国家として未来永劫、武装解除されたままで喜んでいるわけにはいかない。
そして戦後日本が平和だったのは、日本の周囲の力のバランスが成立していたからで、正しくは「平和憲法を持っていても(つまり武装解除されたままでも)、運よく大丈夫だった」ということでないのか?
他方、アメリカの戦争に巻き込まれなかったのは憲法第9条のおかげだ、と言うなら、その通りだと思う。アメリカは日本を武装解除した後すぐ後悔して、冷戦の場に日本人に鉄砲持たせて引っ張り出そうとしてきたのを、「平和憲法」を盾に断ることができたからだ。
しかし今は、アメリカが日本のやる戦争に巻き込まれるのを警戒する時代。尖閣の守りなどに米軍を抑止力として当てにするなら、こちらも米軍を集団自衛権で守ってやるくらいやらないと、アメリカは何もやってくれなくなるだろう。
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