日本は核武装を? ワンクリック世論調査の結果
このブログの表紙に「1 Click投票」というのがあるのだが、ずいぶんさぼっていて、2011年10月以来ずっと同じ質問を出してきた。9月にやっと更新したので、またクリックをお願いします。
9月までの質問は要するに、「米国が沈滞ぎみ、中国が台頭してきている中で、日本の安全保障体制はどうあるべきか」ということ。
その結果は、次のような面白いことになった。要するに、クリックした637人の方々のうち過半が何らかの形の中立政策を求めており、「安全保障の基本は日米安保で。但し中国とも協力」という路線を支持するのは31.87%しかいないということである。そして「核武装した上で中立」という人が、なんと25%にのぼる。
(結果)
今の軍備のままで中立:13.5%
軍備を整えた上で(核武装なし)中立:16.95%
核武装した上で中立:25.27%
安全保障の基本は日米安保で。但し中国とも協力:31.87%
日本はアジアの国なのだから中国と運命共同体を築き、欧米の干渉を許さない:6.44%
その他:5.97%
戦前の日本外交がふらふらし始めたのは、第1次大戦で英国の力が後退し、日英同盟の意味が薄れたところあたりに発する。米国の肝いりで「ワシントン体制」という多国間の安定維持体制を作り、日英同盟を廃止したのが1921年。それ以降、日本は満州という既得権益護持のため世界中を敵に回し、同盟国は遠い遠いドイツとイタリアだけ、という状況に自分を追い込んだ。そして中国はアメリカで反日ロビー活動を繰り広げ、米国の支援を取り付けていく。
上のクリック結果を見ると、日本はまた戦前の「糸切れタコ」になろうとしている。米国は英国より経済のダイナミズムを持っているし、イラク戦争は、第1次世界大戦が英国に与えたような決定的ダメージを米国に与えていないのに、「米国はもうダメ」、「米国はけしからん」の大合唱に影響されているのだろうか。
日本は米中ロシアという軍事大国に取り囲まれている。日米同盟を廃止するということは、米国が潜在敵国になり得ることを意味する。つまり日本は一国で米中ロシア・北朝鮮、そして韓国に対して自分を守っていかないといけなくなる。そんな厖大な軍備を築いたら、社会保障に回す資金はなくなる。そして厖大な軍備を回していく兵員もいない。核武装? 核爆弾1発くらえば麻痺してしまうこの国が、「核を撃つぞ」と言って脅かしても、相手に先に撃たれてしまえばもう終わりだ。
日本は非核の軍備を着実に整えている。中国が中古の空母をウクライナから買って、もてあましているうちに、日本は3万トンのヘリ空母をもう2隻も保有しようとしている。尖閣くらいは自力で守れるようにするべきなのだ。
自力で守れるところが増えてくれば、アメリカも上から目線で日本にものを言うことが減ってくる。だからと言って、あえて日米同盟を破棄することもあるまい。極東の範囲以外で米軍に協力するのは、国連のお墨付きがある時、日本の存続に関わる時に限定しつつ、日米同盟関係を続けていくのだ。
そういうことを次の本に詳しく書いたのでご覧ください。
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