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日本安全保障

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2012年9月16日

民主党総裁選延期するべき 尖閣は日本の正念場

これで民主党総裁選のごたごたの時に、尖閣問題が激化したのは2回目だ。
今週の週刊文春を見れば、これまでの尖閣の所有者がどういう人間か、東京の中国大使館もよくわかったはずだ。国有化した方が日中両国政府が現状維持ということで手を握りやすいのに、そこがたぶん中国の最高指導部に伝えられる過程で、プラスがマイナスに変換してしまったのでないか? 

中国は国の力が強いところなので、尖閣を日本政府が所有することにしたということは、日本の主権行使が強化されたということだ、現状変更だ、と中国の指導部は思ったのだろう。

しかたがない。こうなった以上はこちらも対策を講ずるだけ。もともと、中国に気を使いすぎて、周辺で魚もろくにとらないでいたのはこちらだ。

ことは重大。中国の漁船が大挙して島に押しかけ、おおぜい上陸して恒久的施設でも作ってしまえば、これを除くには力の行使、軍の出動と言うことになるだろう。容認してしまうと、尖閣は竹島や北方領土と同じような存在になってしまう。日本はその場合、国際司法裁判所に訴えるか? 訴えても、中国は応じてこないだろう。こういうわけで、今回の事態の扱いをしくじれば、日中の力関係は完全に逆転し、日本はこれから押される一方になるだろう。

アメリカに出動を求める声が高まってくるだろう。ここで助けてくれずに、なにが同盟だ、というわけだ。アメリカは、実はあの小さな島の問題で戦争に引きずり込まれるのを前から警戒していたので、今回の事態も日本が挑発したのだと判断すれば、出てこないかもしれない。それに、尖閣では海兵隊が必須だが、日本ではオスプレイに搭乗できない。オスプレイを日本のヘリ空母にでも載せて尖閣の周辺まで持っていくか?

もしアメリカが助けてくれないとなると、日本世論は自暴自棄になって、日米同盟破棄まで求めるかもしれない。寒い中を素裸で走り出すようなものだ。そうすれば、中国はこんどは沖縄は中国の固有の領土だと言い出すだろう。

これはもう本当に中世の世界。倭寇ならぬ漢寇だ。中国の日本企業もあぶない。中国の日本企業から日本人が引き上げ、部品や機械の供給がとまれば、困るのは中国の方だと思うが、経済を政治のひとつと考える中国人にはそんなことはわからない。

そんな大事なときに、民主党の総裁選をやっていては困る。困る以上だ。次回の選挙の票はますます減るヨ。それどころかなくなりかねない。

いざとなれば、自衛隊に出動命令を出すのは総理なのだ。出動命令が出ないと、自衛隊は何もしない。できない。総理には危機管理センターにはりついていてもらわないと、的確、機敏な判断はできないだろう。政治家主導と言っていたのが、いざとなると海保や外務省や自衛隊に丸投げして、あとで責任をなすりつけるのはやめていただきたい。

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