メルマガ「文明の万華鏡」第14号を発行しました
「まぐまぐ」社からメール・マガジン「文明の万華鏡」第14号を発行しました。是非、http://www.mag2.com/m/0001519110.htmlにお立ち寄りください。「まぐまぐ」社を通じて予約いただければ、毎月お届けいたします。有料ではありますが。
第14号の序を以下に引用し、広告に替えさせていただきます。
長めの序言
この頃の世界や日本は、1カ月もたつと様変わりになってしまいます。この1カ月では米国経済が復活傾向を強め、連銀は年内には金融大緩和の収束を開始する姿勢を明確にしました。これで米国の株式が金融の水膨れ相場から健全な業績相場に移行できるかどうか、金融緩和収束に伴って生ずる金利上昇、ドル高が資金の米国への逆流を起こし、1994年12月メキシコで起きたような通貨危機(通貨ペソは40%下落)を呼ばずにすむかどうかが、当面の見どころだと思います。
特にブラジルで通貨危機が起きますと、ブラジルに大きく貸し込んでいるスペインに事態は波及、9月のドイツでの総選挙を前にユーロはまた大揺れすることになります。
こうした中で6月17日にはG8首脳会議が開かれましたが、リーマン・ショック後、G20に隠れて影が薄くなっていた感のあるG8が、今回はその存在感を再び復活させました。G20は何と言っても、リーマン・ショック後の対応策にBRICS諸国の支持を取り付けるために作られたフォーラムだと言ってよく、最近では「何も決まらないフォーラム」として、有効性が疑問視されるようになっていました。
米国、そしてもしかすれば日本の経済も復活するかもしれず、BRICSの方が問題が目立っている現在、G8は世界経済の司令塔としての意義を復活させているのです。米国経済が「空洞化」を云々されながらも、その実一貫して世界最大の製造業国であり続けてきたこと、世界の成長をになう外国直接投資のうち約75%は今でも先進諸国企業が行っていることなどを挙げれば、G8の力を理解するのに十分でしょう。
政治の方は、3月の中ロ首脳会談、6月の米中首脳会談・米ロ首脳会談と、大国の新指導者間の顔合わせが終わったことになり、プーチン再選、習近平登場後の国際政治の土俵はできたと言えます。ただこの三国は、どの組み合わせも盛り上がっておらず、喧嘩をしないことで取りあえず合意した程度の段階にあります。また米中ロシア、それぞれの指導者は、国内での指導力にそれぞれ問題があり、対外面でもかなり手を縛られていることも特徴的です。
この中で安倍総理はG8の直前にポーランドを訪問、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーの4カ国が作る「ヴィシェグラード4」という緩い結合体の首脳と一堂に会談、「ヴィシェグラード+日本」というフォーラムを立ち上げました。これは、ロシアを恐れているこの4カ国を力づけることで、ロシアに対する日本の立場を高めると同時に、この4カ国が中国の提示する低利融資の魅力に過度に吸い寄せられてしまうことのないように、日本という選択肢を提供するものでもあります。
1月のベトナム、タイ、インドネシア訪問、2月の訪米、3月のモンゴル訪問、5月のロシア、トルコ、アラブ首長国連邦、サウジ・アラビア、ミャンマー訪問と、総理の外交活動は非常に活発ですが、肝心の中国、韓国との関係は低調です。参院選挙後、形を付けていく必要があります。
前置きが長くなりましたが、今月の「文明の万華鏡」は、次のような構成になっています。
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目次
☆今月の話題
1・オバマ大統領の核軍縮提案
2.「世界最先端IT国家創造」宣言~第二次安倍内閣の新たなIT戦略~について
3.米軍を引っ張り合う、アジアと中東
☆ワルの歴史観その1
「アテネの銀と帝国主義」
☆随筆
「プロ野球は統一球、自民党はインフレ・ターゲット、 こっそりすげかえ」
「ボージョレとロシアの解禁」
「中国型ポピュリズムは何を生むか」
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