2011年7月14日
米国の機敏な対太平洋島嶼国外交
南太平洋の諸島嶼国には日本も戦前から少なからぬ因縁があり、今でも首脳を招待しての外交などやっているが、最近アメリカが非常に効果的な外交をやったので、書いておく。
この地域はまだアメリカや豪州、ニュージーランドの影響下にあるが、そのうち中国艦隊が進出をはかるかもしれないので、アメリカは今から対処しておこうとしているのだろう。
6月下旬、米国政府はカート・キャンベル国務次官補を筆頭に、ウォルシュ太平洋艦隊司令官、ODAを担当するUSAIDの代表、そして国防省の部長級をひと塊りにして、キリバティ、サモア、トンガ、ソロモン、パプア・ニューギニア、パラウ、ミクロネシアなどを文字通り飛びまわらせた。それに先立ち一行はハワイで、テレビ会議方式の集団記者会見を、これから赴く諸国すべてのメディアに対して行ったのである。
金融危機後の米国はブッシュ時代ほど絶対的な力を世界で発揮できるわけではなく、外交、それも微妙なバランス外交に依存する面が強い。だがひとたびそうなると、この歴訪のように効果的・合目的的なやり方を考えだす。外交、軍、ODAの担当者が一つのグループになって動きまわれば、首脳外交にも近い、幅の広い実質的な話ができるだろう。
日本もこのようなやり方で、「一日日本政府」のようなものを特別機に乗せ、巡回させてはどうか? この頃の日本はなにしろ、首脳陣は国内政治に忙殺されているようだから、外交はこのようなやり方で補ってはどうか?
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コメント
「成程」と、深く納得しました