日本のモヤシはバングラデシュから
昨日聞いた面白い話――
日本のモヤシは普通、「緑豆」(緑色のアズキのような感じ。コーヒー豆からでもモヤシはできるのだそうですが)から作られるのだそうだ。でその緑豆は100%輸入。それも中国から。
で、この前のレアアースのようなことがあると、ラーメンにモヤシのトッピングができなくなるので、「雪国まいたけ」社http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%AA%E5%9B%BD%E3%81%BE%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%91はバングラデシュで緑豆を栽培してもらうことにした。
この頃はバングラの農民も村に一台はパソコンがあるし、農婦も携帯で農産物市況を調べたうえで仲買人との交渉に臨むのだそうだ。だから緑豆栽培は、彼らにとってもいい話。
それでも、海千山千の世界に素手で乗り込んだら、ものごとは決められた通りに進むものと堅く信じて疑わない日本人のビジネスマンなど2日ともたずにハダカにされているだろう。信頼できて、力のある現地パートナーがいないと商売はできない。
そこで雪国まいたけは、あの「ノーベル平和賞をもらったマイクロ・ファイナンスのグラミン銀行のムハマド・ユヌス総裁」に注目した。そのユヌス総裁の人柄にかけたのだ。グラミン銀行は事業に成功して、今ではビジネスを総合的に請け負えるだけの業容になっている。たとえばフランスのダノン社と組んで、安い少量の食品を販売したり、緑豆を集荷して空港から日本へ発送したり。
緑豆1トンあたり、1人の雇用を作ることができる。われわれがモヤシを食べることで、バングラデシュの農民が何千人もちゃんとした所得を手にすることができる。こういうのをウィン・ウィンのビジネスというのだが、しっかりしたパートナーというものは滅多にいない。そのパートナーの信頼を勝ち得るだけでも大変なことだ。
そして、「バングラデシュのグラミン銀行と一緒にモヤシ用の緑豆を作る」というビジネス・プラン、よく社内の稟議が通ったよな。社長に見る目があるのだろう。
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