天津での印象5:「日本、がんばれ。でないとさびしい」
「日本頑張れ」
(1)大学の授業で僕が、「民主党の党首選を直前に控えた混迷の日本からやってきました。日本は今、ガバナンスが問われているのです」と言うと、中国の青年たちは口々に「日本、しっかりして。頑張ってくれないとさびしいよ」と言うのだった。苦笑い。
そして日本に留学・勤務したこともある若手企業幹部はこう言った。「日本は全然心配する必要ありませんよ。みんな、ちゃんと働く。中国人をみてください。ちょっとでも給料がいいところがあれば、すぐそちらに移ってしまうでしょう? それに日本は米国に守られていて、防衛の負担がない。中国なんて誰も守ってくれないんですよ。問題だらけ。それでも僕たちは中国が駄目になるなんて全然考えない。日本人は考え過ぎなんですよ。いつも考え過ぎ。大丈夫」。謝謝。でも余計なお世話だ。
(2)今回の集中講義で学生がしてきた質問は次のとおり(3日間続いた講義の2日目には尖閣列島の問題で中国のインターネット世界は大騒ぎになっていたが、学生たちは冷静だった)。
①日本人は現在の政治・経済両面での行き詰まりに、危機感を持っていないのか? 解決策はないのか?
②日本社会自体の中にねじれがあるから、現在の政治不安定が生じているのでないか?
③政治家と官僚の間のバランスをもっと取れないのか?
④米国では大統領が代わるたびに主要な役人も代わるらしいが、日本ではどうなのか?
外交官試験がなくなったことの理由と影響を教えてほしい。
⑤日本は1992年、(国際平和協力法で)自衛隊を国連PKOのために派遣できるようにしたが、これは憲法違反でないのか?
⑥中央アジアでは米国が反中的な動きを煽っているが、日本の中央アジアに対する政策を教えてほしい。中央アジアのエネルギー資源への日本の関心ぶりも。
⑦日本はサハリン石油・ガス開発を進めるなど、ロシアと経済関係ばかり進めているが、それは北方領土問題で裏目に出ているのではないか?
⑧中国経済は大丈夫か? 崩れると思わないか?
⑨日本外務省のチャイナ・スクールとはどんな人たちか?
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