Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
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世界はこう変わる

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2010年9月18日

天津での印象4:畑の向こうに空母キーエフ

空母キーエフ
(1)天津の街角で、「空母キーエフ」の看板をみかけた。ソ連崩壊で売りに出されたソ連空母たち。そのうち2~3隻は中国に買い取られ、1隻は大連かどこかで将来の中国製空母のための艦載機離着陸訓練用に使われて、別の1隻は「テーマ・パーク」になっているとの報道に、まさかと思っていたのだが、それがまさかここ天津にいたとは。

テーマ・パークなら見に行っても叱られまいと思い、新開発区のはずれの駅からタクシーを20KMも飛ばして海岸へと向かう。天津は港町と思われているが、実際には海へ出る「海河」川と江南から北上する例の「隋の煬帝の大運河」の結節点にある川港町なのだろう(ものの本によれば、煬帝の頃の大運河は高句麗攻略のロジ用だったようで、その後何度も作りかえられている)。中国の歴史を通じて、海港は南部の広州あたりに限られている。

(2)畑の向こうに宇宙戦艦ヤマトのような空母のシルエットが浮かび、それが空母(空母と言ってもヘリコプター専用)、今はテーマパークのキーエフなのだ。かつてはソ連帝国主義を体して黒海あたりを遊弋していたのが、今では埃っぽい台地の端につながれて、家族連れのためのテーマ・パークとなっている。
RIMG0306.JPG
(畑の向こうの空母)

空母がテーマ・パークになるのかと思うかもしれないが、実際にその広く高い甲板にのぼって写真をとる快感はちょっとしたもの。それに艦の内部は遊覧回路が矢印で丁寧に示されているし、ブルーに光る計器のならぶ指令室ではロシアの水兵たち(の人形)が何名も勤務している。
RIMG0315.JPG
(空母キーエフの甲板で)

でも昔、ソ連を専門としていた僕にとっては、こうした情景はむしろ痛々しいのだ。自分の肉親が売り飛ばされて見世物になっているのを見るような。

ジョーク
(1)日中関係がまたきな臭くなってきたので、肩をほぐすためにジョークをひとつ。ある中国人の青年が教えてくれたのだ。
「昔学校で日本語を習い始めたばかりの頃、戦前の日本の唱歌を覚えさせられました。そのなかに『ウサギ追いし』という唄があったのですが、僕はなぜかこれを『ウサギ美味しい、かの山』なんだとばかり思い込み、はて日本人はウサギをそんなに食べないはずなのに何でこんな歌があるのか、と考え込んでしまったのです」

(2)もうひとつ。「中国の学校では、外国語は大事なんだということを学生に納得させるために、あるエピソードを話してくれます。『ネズミの母子が散歩に出ました。すると怖い、怖い猫が近寄ってくるではありませんか。子ネズミは怖くて「チュウ、チュウ」と母ネズミに駆け寄りました。その瞬間母ネズミはなんと大きな声で「ワン、ワン」と言うではありませんか。近寄った猫は退散してしまいました。母ネズミは子ネズミに言います。「お前、わかったろう。外国語がどんなに大事か」』」

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