2009年7月12日
中国は日本のGDPを抜きたくない?
元のレートの風向き次第で、ドル・ベースでの中国GDPは今年にでも日本のGDPを抜く。
やっぱり嫌だ。今年は中華人民共和国成立60周年、中国政府はさぞ抜いた、抜いたと言いたてるだろう。
でも元はまだ交換可能通貨でもないし、ODAや海外直接投資など国際的にできることは、やはり日本の方が大きいのだ。それに元の交換を自由にすると、外国資本は元を買いあさるだろう。値上がりを狙って。そしてそのことが元のレート上昇をますます速める。すると中国のトラの子の輸出が益々難しくなる。
などと思って自分を慰めていると、面白い見方に出くわした。「日本のGDPを抜いたとしても、中国政府はあまり言い立てないのではないか」ということだ。
その心は、「中国政府が『日本を経済で抜いた』と言いたてると、国民は『本当か? どこにそんなカネがある。俺には見えない』と言って騒ぎだす。だから政府は静かにしている」ということなのだ。
そういう(国民の)心理は僕にはよくわかる。僕が長く勤務したロシアの大衆は、まさにそういう反応を示す人たちだからだ。何でも自分たちの暮らしに引き換えて考えて、いつも「誰か途中でくすねている奴らがいるから、俺たちの生活は良くならない」と考えている。
まあ中国政府も、隣人の傷に塩を塗るようなことはしない方が、自分たちのためにもなるということだ。
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