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世界はこう変わる

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2020年5月17日

ロシアが原油生産削減したくてもできなかった理由

ロシアは3月、OPECの減産合意に加わらず、値崩れをひどくさせて、4月12日、やっと日量970万バレルの減産(全体)に合意したことになっている。ロシアはどうして、自分で自分の首を絞めるようなことを繰り返すのか。これまでも減産に抵抗したことは何度もあったし、合意しても守らなかったことも何度もある。

採油原価の高い米国のシェール・オイルを倒産させたいからだという説明が行われているし、トランプもそれを信じてか、プーチンに電話などしているが、実際にはロシアは減産しようと思っても減産しにくい状況にあるようだ。

JOGMECの専門家もそう言うし、最近ではJamestownというロシア分析ニュースレターでFelgenhauerという軍事問題専門家が書いていたことだが(9日付)、ロシアの主要な油田は西シベリアの永久凍土地帯にあって、しかも老朽化している。老朽化した油田には水を注入してその圧力で残った原油を地上に押し上げるのだが、これを減産のために止めると、パイプにある原油中の水分(60%を超える)が凍ってしまい、再開ができなくなる。他の油田等で減産をはかっても、せいぜい日量40万バレル、それも実現するまで半年はかかる、というのである。

多分、本当だろう。だがプーチン大統領は12日、クレムリンでセーチン・ロスネフチ会長と差しで会談し、ロスネフチへの優遇融資の問題などを話し合っている。原油生産を本気で削減するのなら、一番割を食うのは最大手のロスネフチ。減産で損失を受けて、株主から訴訟も受けかねない。だから優遇融資というわけか。

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