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世界はこう変わる

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2020年2月18日

ポピュリズムでもない専制でもない新しい国家形成ルールの模索

(これは、1月29日発行のメルマガ「文明の万華鏡」第93号の一部です)
 
 12月31日付日本版Newsweekによると、アイルランドで一つの実験が行われている。重要な政治課題を議論するため、市民から議員100名を無作為に(但し年齢、地域、階級などを考慮)選んで「市民議会」を構成、政党対立の埒外での審議を展開して、それをすべて公開。カトリックのアイルランドではタブーだった人工妊娠中絶の是非を、まずとりあげ、その結果市民議会が中絶を合法化する法改正案をまとめて、国民投票の結果圧倒的な賛成を得たらしい。

 先進国の多くの議会制民主主義はポピュリズムや、米国のような過度の政党対立の中、目詰まりを起こしている。上記のやり方で一番問題なのは、「無作為で、しかし年齢、地域、階級、性別などの要因に配慮した幅広い代表」を選ぶ過程だろう。ここには選ぶ者の主観が入り得る。

 それでも、成人すべてが一人一票という現代民主主義は統治不能、あるいは付和雷同のファシズムの危険性を内包していて、なんとか改善していかねばならないのだ。その意味で、こうした実験はいいことだ。誰がどのようにこれを決めたのか知らないが。

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