Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
ChineseEnglishRussian

世界はこう変わる

Automatic Translation to English
Automatic Translation to English
2017年12月11日

過ぎたるは及ばざるが如し――党大会で権力の純化を達成した習近平の弱み

(これは、11月22日発行したメルマガ「文明の万華鏡」第67号所載の記事の一部です。
全文をもっと早く入手されたい方は、http://www.japan-world-trends.com/ja/subscribe.phpにて、「文明の万華鏡」講読の手続きをお取りいただけます。毎月365円です)

10月中旬の共産党第19回党大会で、習近平は政治局常務委員から張徳江、張高麗等のロートル、かつ「他派」の連中を追い出し、李克強、汪洋以外は自分の手兵で固めた。有力者と言うより手兵、秘書とも言える連中ばかりで固めたのである。誰でもそうだが、絶頂で「やり過ぎる」ことで、高転びする。全国津々浦々、諸組織、諸利権を動かすには、餅は餅屋で、それぞれの分野の有力者を取り込んでおかないと、いくら秘書が声高に命令してものれんに腕押しで動かない。

1980年代後半、ゴルバチョフ・ソ連共産党書記長が「ペレストロイカ」と称していろいろ新機軸を打ち出しても、全国の党官僚たちは、「樹上は嵐でも、樹下は静穏」とか言って、サボタージュを決め込んだ。業を煮やしたゴルバチョフが党官僚を公選制にするとともに、その権限を奪ったことで、ソ連はかえって統治機能を失い、経済混乱に突入したのである。

中国でも、習近平指導部に自分の権力・利益を奪われるのを恐れる党幹部たちは、サボタージュをしてくることだろう。習近平のやっていることは日本ならば、自民党の幹部ポストに政治家ではなく、自分の手下の官僚を据えたようなもの。政府は官僚で動かせても、政党は動かせない。
">

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.japan-world-trends.com/cgi-bin/mtja/mt-tb.cgi/3572