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世界はこう変わる

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2016年7月14日

1960年代 権威に対する反乱の時代の再来か

エスタブリッシュメントへの憎悪、「奴ら」への憎悪が世界中でたぎっている。途上国では、先進国への憎悪、先進国では国の富を独占する金持ち層への憎悪。

米国の大統領選挙で、サンダース、トランプ両候補が支持を得たのは、こうした不満をうまく掘り起こしたからだし、英国のEU離脱国民投票で離脱が勝ったのも、エリートが言うこと、やることへの不信が根っこにある。

エスタブリッシュメントへの抗議の波――これは1960年代後半にも世界を席巻した。米国ではベトナム戦争反対、フランス、日本では学生運動。だが、このプロテストの波の後、社会に入った者たちは自らエリートになっていったし、彼らの後に続く青年たちは妙に静かで、現世的になっていった。あれは、何だったのか? 戦後の経済復興が団塊世代の権利意識をかきたて、「資本主義の抑圧」への抗議の声を上げさせたのか?

それが今また・・・。しかし、今回の動きは1960年代の先進国での動きとは違う。当時はマルクス主義とか実存主義とか、もっと理念があった。抽象的な概念の実現を求めての熱病のようなものだった。

今回のはもっと俗世の、観念的ではない、パン寄越せ、職寄越せデモに近いものではないか。いずれの国でも、今の社会の益を吸い上げた団塊の世代に、その子供の世代が抗議する構図になっている。米国では、それがミレニアル世代と呼ばれる。全部で8000万人くらいいる、大勢力。もちろん一つにくくれるわけではないが、「まず、アメリカのことをちゃんとしよう。America, first」というトランプの内向きスローガンを支持する連中だ。

クリントンは、団塊baby boomerの世代の代表だ。ミレニアル世代にうまく対処しないと、彼らからエスタブリッシュメントの代表と指さされ、トランプの大統領当選を許してしまうだろう。

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