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世界はこう変わる

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2015年8月 2日

ロシアは選挙がらみに

(これは、7月22日に発行したメルマガ「文明の万華鏡」の一部です。)

ロシア当局は二〇一六年十二月に予定されていた総選挙を同年の九月に前倒しする方向で動き出した(クドリン元副首相は、大統領選も二〇一八年の予定を二〇一七年に前倒しするよう提言したが、当局に一蹴されている)。口さがない者達は、「選挙戦を八月に前倒しすれば、多くのロシア人は休暇に出ているから騒げない」と言う。

それも一理、当局は今度の総選挙を契機に、現在の与党「統一」――昔のソ連共産党員よろしく、「統一」党員はあらゆる利権に手を伸ばすだけでなく、その保守的体質で社会を窒息させている――に大きな手術のメスを入れる(例えば、別の党を作りだす)可能性があるからだ。与党のすげかえ、国会議員のすげかえは、地方の利権人脈構造の一大変革を意味する。それを実行するには、八月という空白期は確かに安全なのである。

 「来年の九月には総選挙」が確定すれば、ロシア内外政は総選挙での「与党」(上述のように一新される可能性があるが、いずれにしてもプーチン大統領と彼を支える一派の息がかかった党)の勝利を最大の目的にして動き出すだろう。そしてその過程では、次期大統領が誰になるかも、かなり決まってしまうだろう。選挙戦で「与党」の顔として打ち出される者が(それはプーチンかもしれないし、新顔かもしれない)次期大統領候補になるのが自然だからである。

 ロシア政情は選挙がらみになる――プーチン大統領が来日するにしても、このことは勘定に入れておかないといけない。

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