ウクライナとチェチェン人
(以下は、メルマガ「文明の万華鏡」37号に掲載したものの一部です。全文は、http://www.mag2.com/m/0001519110.html でご覧いただけます。
日本では報道されないが、ウクライナとチェチェン人の関わりに少し注目している。詳しく書かないが、ウクライナではチェチェン人がキエフ政府側、東ウクライナの親ロシア側の双方で傭兵格で働いて、それが様々な意味合いを持っているということである。
例えば、米国ではウクライナ政府に兵器を供与するべきだとの声が一時高まったが(オバマ大統領が抵抗している。ロシアが介入拡大の口実にするし、ウクライナ軍に提供しても親ロシア軍に簡単に降参して取られてしまうので意味がないと思っているのだろう)、湾岸諸国から既に米国製殺傷兵器は流れている、それをチェチェン人が仲介している、との報道がある。
またISISで働いているチェチェン人も多いので、彼らがウクライナ政府のために働いている同僚を仲間に引き込み、ISISが西欧でテロを行う踏み台にするのではないかとの懸念も現れている。
チェチェン共和国のカディロフ首長はプーチン大統領に忠誠を誓い、それを盾に首都モスクワでチェチェン人の傍若無人の振る舞いを可能にして、中央の公安機関と張りあっている人物だが、2月末モスクワでの野党政治家ネムツォフの暗殺にもカディロフ配下のチェチェン人の関与可能性が報じられている。
つまりチェチェンは、ロシア、米国の双方に意味を持っているので(2013年ボストン・マラソンでのテロ犯人もチェチェン人)、これから両国の間での協力マターとして密かに浮上するかもしれない。
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