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世界はこう変わる

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2015年6月 6日

米国社会の根本的変化

(以下は5月27日発行のメルマガ「文明の万華鏡」の一部です)

米国は変化の激しい社会だ。その中で一つ非常に面白いと思った報道は、Pew Research Centerの最近の調査では、自分をキリスト教信者だとする「アメリカ人」が全体の71%に減少(7年前は78%)し、特に若年の「millennials」層でその傾向が顕著(キリスト教信者は56%)だというものである。

ミレンニアル世代とは、ベビー・ブーマー世代の子供たちに相当する世代で今30代、実に8000万人、全人口の4分の1強という大勢力。3年程前、アメリカ・エンタープライズ研究所のKarlyn Bowman上席研究員にこのミレンニアル世代の特徴について尋ねると、彼女はにっこりとして言った。

「これ、面白い世代なんですね。3分の1はバツ1、つまり離婚経験があるのですけど、企業にもつかず離れず、自分というものに自信を持っています。個人業を志向する者が多いのも特徴ですし、学校ではボランティア活動が義務的になっていたので、地元コミュニティーにも多くの関心を持っています。それでいて、考え方はグローバル。文化面でも他国のものに分け隔てない関心を示します。他国に介入するときにはアメリカ一国でやるのではなく、今回リビアでNATOを前面に出したように、仲間の諸国と集団でやることを選好する――こういった調査結果が出ています」。これは、理想的人間像に近い。本当かなと思わないでもない。僕の子供たちが経験したところでは、アメリカの公立高校はかなりすさんだところだった(以上はhttp://www.japan-world-trends.com/ja/cat-1/post_757.phpから)。

でも、若者がキリスト教信仰から距離を置くようになってきたということだと、これまでの米国社会の保守化傾向(中絶反対とかダーウィンの進化論反対とか)にブレーキがかかってくる、つまり共和党の茶会派などに不利な材料になるのかもしれないし、他方これまで民主党を支持してきたユダヤ系と、同盟関係にあったキリスト教右派(人口7000万人と推定され、人口の少ないユダヤ系を票で助けてきた)の人数が減ってくると、民主党にとって不利な材料になるのかもしれない。

もう一つ、米国社会で多民族化が進んでいるのは周知の事実だが、これを実感として味わいたいのだったら、Roosevelt Institute Campus Networkのサイトhttp://www.rooseveltcampusnetwork.org/のビデオを見たらいい。このInstituteは2004年、米国青年に国際政治についての知見を深めさせるための交流サイトとして設立されたものなのだが、見ると白人・金髪はほぼ皆無、まるで世界の縮図、あるいは毎日の国連本部のような情景が展開されていて、各人が英語で主張を雄弁に述べているのだ。圧倒される。米国では話力、体力、性格、全てにおいて優れていないと、置いてけぼりを食う。
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