2014年11月 6日
米国金融界とキリスト教の価値観
今の世界経済、ジェット・コースターのように高下を繰り返す。1971年ニクソン大統領がドルの価値を金の価格から切り離し、いくらでもドルを印刷できるようにして以来、あふれたドルが投機を呼んで金融恐慌を起こしやすくなっている。
モノとカネの間のバランスを取ることが必要なのだが、金融企業の連中は高利益をあげては天文学的な所得を得ている。リーマン危機後、米国経済は金融大緩和のおかげでマクロ数字は上昇してきたが、経済成長が生んだ新たな富のほぼ全ては、所得水準上位1%の者のポケットに収まっている。だから消費は増えないし、消費が増えなければ投資も増えない。大多数の者は経済回復の実感がないから、中間選挙でオバマ大統領がブーイングを喰らう。
勤倹や神の前での責任を重んずるプロテスタンティズムなら、このようなことにはならないはず。アメリカやイギリスの友人から聞いたところでは、「金融界の連中は自分がやっていることが悪いなどとは、全然思っていない。オバマ大統領が金融を規制しようとしていることに対しては、なんで自分たちの邪魔をするんだと怒りを示すありさまだ。彼らの法外な給料を減らそうと思ったら、株主総会で圧力をかけるしかないだろう。もっともその株主も、大口は金融界の仲間だから、うまくいかないかもしれないが」。
アメリカのピュリタンの伝統はどうなってしまったのだろう。昔はアメリカにも勤勉、穏健、控え目な人たちが多かった。ところが今のアメリカの政治家たちは、どうも・・・
ローマ法王に何とかしてもらいたい。
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