2012年12月 3日
ロシアは日中を天秤にかけている
尖閣の問題でロシアが日本に意地の悪いことを言わなかったので、ははあ、ロシアもさすがに中国が怖くなってきて、日本と関係を良くしたくなってきたのかと思っていたら、さすがにロシアはそんな一筋縄ではいかない。
11月21日にショイグ国防相が訪中し、毎年恒例の中ロ軍事技術協力委員会を主宰したのだが、その際、ロシアの最新戦闘機スホイ35Sを24機、中国に輸出することで合意したとの報道が流れている。ロシアはこれを確認していないが、スホイ35Sについては前から話が続いていたので、何らかの進展はあったのだろう。
これまで中国は2,3機しか購入する意向を表明せず(分解してコピーする魂胆だろう)、ロシアはそれでは意味がないとして抵抗していたのが、24機に急増した背景は、10月プーチン大統領の右腕パトルシェフ国家安全保障会議書記が訪日するなどロシアが対日接近の構えを見せていることが中国にはどうにも気になり、この際24機購入というカードを切ってでも、ロシアを自分に引き付けておこうという気持ちにさせたのではないか?
この24機が揃うには5年以上かかるだろう。直ちに日中間の軍事バランスを変える、という話しでもない。だとしても、ロシアが日本はまた暫し袖にしておこうと思い始めたことは事実だろう。外交は駆け引き、そしてばかし合い。うっかり軸足を乗せると、水に潜り込む。
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