Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
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世界はこう変わる

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2020年3月27日

メルマガ 文明の万華鏡第95号発売

25日まぐまぐ社から、メルマガ「文明の万華鏡」第95号を発行いたしました。
以下のような始まりになっております。

はじめに

世の中はコロナ・ヴィールス一色。6月のG7首脳会議(ワシントンで予定されていた)もテレビ会議でやることが早々に決まり(トランプ大統領はもともとG7が嫌い)、米軍2万人が大西洋を渡って展開するはずだったNATO大演習「Defender Europe」も実質中止。米軍は大西洋上で方向転換して、本国に帰投しつつあります。トランプ大統領は、株価は暴落、コロナ騒ぎも鎮まらないで、この頃は守勢一辺倒になっています。大統領・議会選挙を延期するというような荒業に出ない限り(これは合憲性が問題になりますが、トランプの指名した判事が多数を占める最高裁は合憲のお墨付きを出すでしょう)、共和党議員、そしてスポンサーが「お前では選挙は勝てない」とトランプに引導を渡す、つまり今辞めないと全閣僚の離反(憲法第2条はその修正条項で、「大統領が職務執行不能の場合には、副大統領が代行する」との趣旨を定めています)、あるいは弾劾を本当に通すぞと脅して辞任させてしまうことも考えられます。

とまれ、世界中ですべての問題は「生か死か」の二項に収斂し、「国際情勢」など実は人々の生活にはまったく関係ない(?)ことが如実になっている時節。こういう時は、自宅で、人生の残務整理でもしているのが一番なのでしょう。ちなみにロンドンでペストが流行した1665年には、およそ7万人が亡くなったそうですが、当時ケンブリッジ大学で学位を得たばかりのアイザック・ニュートンも故郷に疎開。そこで暇を持て余して万有引力の法則など考え付いたのだそうです。

そして中世の欧州では、もっと大きなことが起きました。欧州で1348年から1420年まで続いたペスト禍では、当時のヨーロッパ人口の30%から60%が死亡、 イギリスやイタリアのいくつかの都市や村においては、1348年から1400年の間に、人口の70%から80%が死亡したと推計されています(ウィキペディア)。

ペストは、モンゴル帝国が中国から欧州まで作り上げた、途中の関所・関税なし一気通貫のシルク・ロードを伝ってやってきたものですが、この「グローバリゼーション」で潤ったイタリア諸都市では、メディチ家等パトロンの下、ペトラルカ、ボッカチオといった文芸家が現れて、ルネサンスが始まり、ペストが収束して間もない1445年頃にはグーテンベルクの印刷革命、そしてルネサンス最盛期を担うダヴィンチ、ミケランジェロ、エラスムスと続々生まれていくのです。

それだけではなく、ペストによる人口の激減で賃金が上昇し、消費が増えて、長期成長の「長い16世紀」が始まります。そして賃金が上昇したために始まった工業製品価格上昇は、新大陸からの大量の金銀の流入を受けてインフレとなり、封建領主の財政基盤を破壊し、彼らを国王のお雇い貴族に変えることで、絶対主義王政の扉を開けます。そして新大陸の金銀を手に入れた欧州は、その軍事力と財力で海外の植民地取得に乗り出し、植民地の市場をしゃぶり尽くすことで、工業化=産業革命を達成します。つまりペストは、欧州の中世から近世への移行の触媒となった面があります。

というわけで、自宅で逼塞していると、思考はどんどん夢想になっていくのですが、一歩外に出ると、報道とは全く違う、わりと賑やかな生活が続いています。彼岸の日の大通りの渋滞ぶりはそれこそ30年ぶりとでも言いたいものでしたし(多分、電車を避け、車で移動する人が増えているのでしょう)、先日車を定期点検に持ち込んだディーラーでは、いつもの沈滞した空気はどこへやら、久しぶりの新車発売で、他ならぬコロナ騒ぎの2月は空前の売れ行きでてんてこ舞いだったそうです。

ものごとの真実、あるいは全体像は報道とは全く違います。1991年8月モスクワでは戦車も動員してのクーデターが起きましたが、街中の酒屋は品不足になる前にということで、ウォトカを買う市民が行列、郊外ではのどかにサイクリングを楽しむ市民たちもいたのです。


というわけで、今月の目次は次の通りです。
 
 経済全体の国営化へ?
 コロナ・ヴィールス ――盟「面子」大切 中国政府
 中国はどのくらい停滞するか? それは内外にどう影響するか?
 ロシアも崩れる
 ゲーム・チェンジャーとしての石油価格
 常識を疑う・シリーズその4
  1)苦しい時の鉄砲頼み
  2)ウォトカでコロナを防げるか?

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