メルマガ 文明の万華鏡第75号発売
本日、月刊メルマガ「文明の万華鏡」第75号をまぐまぐ社より発売しました。
冒頭は次のようになっております。全文は、このブログの上方にあるボタンをクリックして講読予約をいただければご覧いただけるようになっています。
まえがき
トランプ大統領のドタンバタン素人外交も、7月の米ロ首脳会談で一段落。米国情勢はこれから11月の中間選挙を軸に動いていくでしょう。民主党は上から目線でトランプを罵るばかりで、大衆層を味方につけておらず、今や中間選挙で敗北(と言うか、上下院での多数を取り返せない)する可能性が指摘されるようになっています。中間選挙で民主党が敗北すれば、トランプ米国はいよいよファッショ化の様相を強め、世界のパラダイムを一変させてしまうでしょう。
ファシズムとはポピュリズムがもっとひどくなったもの。政策は大衆が考えること、大衆の感じ方をベースにしたものになるので、米国外交はこれまでのエリート、インテリが頭で主導して来たものとは一変するでしょう。それは、イデオロギーや理想には構わない、感情的、かつ短期的な損得に基づく外交になるでしょう。
キッシンジャーは20日付Financial Timesに掲載されたインタビューで、「トランプは、一つの時代の終焉を告げ、その時代のpretense(理念とかこだわりとか、そういうものでしょう)を捨てさせてしまうような、歴史に時々現れるそうした人物なのかもしれない。彼自身意識していないかもしれないし、ただの偶然なのかもしれないが」と、意味深なことを言っています。言って見れば、自由とか民主主義とか主権国家とか市場経済とか、教養主義的な近代を大衆裁判ですり替える、そういう時代でしょうか。
安倍晋三氏はこういう時期に自民党総裁、日本の総理を務め続けることになります。アベノミクスとか三本の矢とか消費者物価2%上昇目標とか、賞味期限を迎えた国内政策はもちろん、トランプの登場とか、朝鮮半島情勢の流動化とか、中国経済の不安定化とか、国際環境が全く新しいパラダイム下で動き始めた今、10月以降の安倍新政権は、斬新な政策を打ち出して欲しいものです。そのことは、31日発売のNewsweekで詳しく書くつもりですので、是非ご覧ください。
今月の目次は次の通りです。今の世界で起こっている、主要なパラダイムの変化をまとめてみました。
「大衆」が世界を仕切る時
中国の成長モデルの崩壊
多国籍企業の経営モデルの一大転換――グローバル・チェーンから地産地消へ
日本の「ムラ社会」の歴史的転換期
敵は敵でないということにすれば、安保体制は不要?
今月の随筆:自動運転車=密室ビジネスの台頭
今月の随筆:左利きの侍は刀を右にさしていたか
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