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2024年10月 3日

米国で金融バブルが破裂したら大統領選はどうなる――2008年リーマン・ブラザーズ金融危機とオバマの登場――

2020年のコロナ流行で、米連銀は金融を大緩和。マネー・サプライは5倍以上になって、現在もあまり減っていない。カネ余りは投機を助長し、その投機が崩壊すると金融の目づまり、金融危機を起こす。今の状況は、火薬庫の横の株式市場で火遊びをしているようなもので、史上最高の株価は、いつ史上最大の金融バブル崩壊になるかわからない。そして米国では普通の人でもNISAの米国版、と言うかNISAの本家であるところの401k(1978年)で、将来の自分の年金を株で積み立てているので、株価の動向には厳しい目を持っている。

今年は米国大統領選。選挙の前にバブルが崩壊、経済が破綻したらどうなるか。考えてみると、2008年のリーマン・ブラザーズ危機が起きたのは9月中旬。まさにオバマとマケインの大統領選たけなわの時。あの時自分は、二つのことを別々に見ていたので、金融危機が大統領選にどう響いたかについては記憶がない。そこでwikipediaを見てみた。以下は引用。

「大統領候補マケインが女性のペイリン・アラスカ州知事を副大統領候補に指名した、共和党大会の直後の世論調査では、マケインがオバマを逆転し、両党予備選勝者が確定して以来はじめてマケインがリードしたが、金融危機の深刻化を受けてオバマが再逆転。以降投票日まで徐々に差を広げる。」

有権者の関心は、金融危機の克服と生活の救済に向かったのである。そして金融危機が共和党のブッシュ政権下で起きたことが、共和党の大統領候補マケインの手を縛った。マケインはブッシュを批判して人々の不満をそらす、ということができなかったからである。彼は選挙戦を中断してワシントンに戻り、金融危機救済チームの議論に加わったが、経済を知らず、その発言が右往左往したことも、不評を買った。

つまり、たとえ大統領選直前であっても、当局は金融危機が起きるのを防ぐことはできないし、危機が起きればそれは政権党に不利に作用するのである。

カマラ・ハリスは有能なブレーン層を抱えているだろうから、もし危機が起きたら、彼等をワシントンの救済策策定・実行チームに入れてでも、国民の信頼・期待感を高めることができる。彼女自身は細かいことは言わず、救済策が企業相手に偏るのを防ぎ、一般大衆も均霑するかっこうを確保する。そして「古い経済体制からの脱却」とか言って、自分が老年世代から脱却した世直し政権になることを世論、特に浮動票層に売り込むのだ。

他方、トランプは危機を「利用」することに失敗するだろう。彼は不動産ビジネスは知っていても、金融は知らない。危機の時には、馬脚を露すことになるだろう。たとえば、危機の時に、持論の企業減税などを口に出せば、世論からは袋叩きに会う。

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