メルマガ 文明の万華鏡 第145号発行
月刊メール・マガジン「文明の万華鏡」第145号を「まぐまぐ」社から発行しました。
その冒頭、目次部分を以下に採録します。
文明の万華鏡 第145号
このメルマガも13年目のスタートとなりました。12×12の144号が先号で、英語でgross、この号はgross+1ということになります。Grossというのは、アバウトなとか雑なという意味もありますが、そう言われないよう、新たな気持ちで始動させていただきます。
とは言え、今号はロシアいじりで始めます。ボール・ベアリングをロシアは作っていない、だから戦車製造にも差し支えているのではないか、という話し。4月25日付SVpressというロシア関係のサイトを見ていましたら、「ボール・ベアリングの生産がロシアでは壊滅的状態。ソ連時代は優れたものを自ら生産し、2000年でも2億5000万個を生産していたが、2010年には5000万個、2023年には3700万個に激減。増産中だが、主として中国からの輸入に依存。しかし中国製も品質に不安があるし、中国自身、西側から輸入している。ロシアは、ボール・ベアリング生産に必要な特殊鋼も、その生産は壊滅状態にあり、ステンレス・スティールすらろくに生産できない。釘すら輸入に依存している」という記事がありました。
半信半疑でいましたが、5月14日のEconomistを見ていましたら、「ロシアは工作機械だけでなく、ボール・ベアリングも中国に依存している。ウクライナ開戦後、2023年には21年より170%多いボール・ベアリングを輸入している。中国のキルギスへのボール・ベアリング輸出も同時期に18倍になっているのだが、これもロシアに流されたのだろう」という記事があり、納得しました。
ボール・ベアリングは半導体以上に、産業のコメと言えるでしょう。戦車の砲塔、キャタピラを回す車輪の軸受けから始まって、大半の工業製品にはボール・ベアリングが使われています。
ソ連が崩壊したあとの1990年代、ロシア経済はがたがたになりましたし、多くのものは西側から輸入した方が安上がりということで、人工衛星から兵器まで、西側の部品、製品に安易に依存するようになっていたことが、ウクライナ戦争で裏目に出ました。
ロシアは開戦後3000両近くの戦車を失ったとされます。これは欧州正面に当時配備していた戦車数を上回っています。しかし、これを補充する戦車の生産は遅々として進んでいないようで、今進んでいるハリコフ周辺の侵略でも、戦車は使われていないようです。
NATO諸国が恐れている、「ロシア軍が自分たちを襲ってくる日」はなかなか来ないでしょう。
というわけで、今月の目次は次のとおりです。
利根川・佐原紀行
「近代」の黄昏
(「産業革命の逆回し」)
(「ロボット・AI新世」の到来)
(「人間らしい生活」、「足るを知る」を日本のロゴに)
「中ロ戦略的同盟」の意味と歩留まり
(政治面での融合度)
(軍事面でのロシアの対中依存)
(経済面での対中従属)
(中ロは融合してユーラシアを席巻するか)
暴力の台頭
今月の随筆:「風が吹けば桶屋がもうかる。ロシアが戦争すると、
日本のパチンコ屋がつぶれる」という話し
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